RPAの本命2社を比較しようとして、両方の料金ページで足が止まる——UiPathもAutomation Anywhereも、本格導入の価格は「お問い合わせください」です。相場観ゼロのまま商談に入ると、提示された見積もりの妥当性を判断する物差しがありません。
手がかりはあります。Automation Anywhereが過去に公式発表したCloud Starter Pack:月750ドルという値札です。この記事ではその公式価格を一次資料に、RPA見積もりの部品構成と、UiPathとの調達上の比較軸を組み立てます。
スターターの内訳は「作る人1・管制1・無人ボット1」。この3部品の構成表を自社で作れれば、商談の見積もりを分解して比較できる。
Automation Anywhereが公式に公開した数少ない価格が、Cloud Starter Packです。プレスリリースの記載は“$750 per month and includes one bot creator, one control room and one unattended bot runner”。月750ドルに、ボット開発者1名・管制室(Control Room)1つ・無人ボット1体が含まれます。
| 部品 | 役割 | 公表価格 |
|---|---|---|
| Cloud Starter Pack | 開発者1・管制1・無人ボット1のセット | 月$750 |
| 無人ボット追加 | サーバーで自動実行する実行枠 | 月$500/体 |
| 有人ボット追加 | 人のPCで人が起動する実行枠 | 月$125/体 |
UiPathも本格導入は商談前提で、公開価格は検証用の小さな枠だけです。交渉の物差しは、同一構成(開発者N・無人ボットM・有人ボットL)を両社に提示して見積もりを並べること。片方の公開価格——Automation Anywhereの750ドル起点、あるいはPower Automateの公開単価——を持ち込むと、内訳の分解を求めやすくなります。
$750 per month and includes one bot creator, one control room and one unattended bot runner.出典Automation Anywhere 公式プレスリリース「RPA Cloud Packages for Business Continuity」 一次情報を確認2026-08-14 この内容の有効期限2027-02-14
開発から管制までブラウザで完結する設計が特色。実行環境の配布・更新の手間が減る一方、対象はやはり「APIのない画面」に絞るのが正解。
Automation Anywhereの現行基盤は、開発・管理・実行の指揮をブラウザ上で行うクラウドネイティブ設計です。開発ツールを各PCにインストールして回る方式と比べ、環境の配布とバージョン管理の手間が軽いのが実務上の利点です。
どのRPA製品でも、正しい適用先はAPIも既製コネクタもない画面操作です。APIがある業務はn8nやZapierのようなAPI連携で組む方が壊れにくく安い——この原則はAutomation Anywhereを選ぶ場合も変わりません。RPAの守備範囲を絞るほど、ボット数と保守負荷が減り、総コストが下がります。
ライセンス費は総コストの半分以下。無人ボット1体あたり月500ドル級の相場感に、保守担当の工数を足してから稟議に載せる。
Automation Anywhereの公開価格は、RPAの総コストを読む物差しとしても使えます。無人ボット1体の追加が月500ドル——年間では約90万円です。この金額に見合う業務量を1体に任せられるかが、ボットを増やす判断の基準になります。
スターター(750ドル)に無人1体を含むため、追加無人は(n-1)体で計算。実際の商談価格はこの概算から上下する。
対象システムの画面変更でボットが壊れる構造は、UiPathの記事で書いた通りベンダー共通です。ボットごとに保守担当を決め、対象システムのリリース予定をボット側にも流す体制——これができない組織のRPAは、どの製品を買っても静かに止まっていきます。ライセンスの比較と同じ熱量で、保守体制の設計に時間を使ってください。
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